駅を降りて、少し大通りを沿って歩く。
「アートビル」という名前のついた築年数のいった古いビルの階段を上がると、四階がまるまるアトリエになっている。こんなとこははじめてだ。他の階は普通に人が住んでいる。
和式トイレの備わった、古色蒼然とした大部屋だが、床は磨かれ、丁寧に使われているのが窺える良い雰囲気。
壁には誰か(所長?)が描いた油絵が何枚も飾られ、その間を埋めるように昔の展覧会のポスターが所狭しと貼られている。
天窓の採光を利用した自然光のライティングで、逆光の眩しい位置をとってしまったが、初めての場所で気合が入る。
最初に「今日のモデルは〇〇さんでーす。よろしくお願いしまーす」と挨拶があり、驚いた。
ヌードモデルの名前を言うのは珍しい気がする。
ここは五分ポーズは立ちポーズ限定らしい。
ビルの前にはこんな風。
「ありがとうございました、またきまーす」といったら
所長が「またいらっしゃい」といってくれた。
88歳という話だがとても見えない。
楽しかった。
このあとこの日は雑司ヶ谷に行った。