TOHO池袋 ポイント鑑賞
昭和のプロレスはほとんど見てないからエリック一家の話がこんなにも悲劇的だとは知らなかった
どうしてみんな仲がいいのに、次々とこの世を去っていくのだろうかと不思議だったけどケビンと小さい息子達のラストのシーンで分かった
4兄弟とも、泣きたい時に泣けなかったからだろうきっと
お母さんも、あのお父さんもそうだが
いい映画だった
日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、プロレスの道を歩むことになった兄弟の実話をベースに描いたドラマ。
1980年代初頭、元AWA世界ヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリックに育てられたケビン、デビッド、ケリー、マイクの兄弟は、父の教えに従いプロレスラーとしてデビューし、プロレス界の頂点を目指していた。しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けた三男のデビッドが、日本でのプロレスツアー中に急死したことを皮切りに、フォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われ、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになっていく。
次男ケビン役をザック・エフロンが務め、三男デビッド役を「逆転のトライアングル」のハリス・ディキンソン、四男ケリー役を配信ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」で第80回ゴールデングローブ賞主演男優賞(テレビ部門ミュージカル・コメディシリーズ)を受賞したジェレミー・アレン・ホワイトがそれぞれ演じた。
米プロレス団体AEWのマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンが製作総指揮、元WWE王者のチャボ・ゲレロ・Jr.がプロレスシーンのコーディネーターを務め、それぞれレスラー役で劇中にも登場。
監督は「不都合な理想の夫婦」のショーン・ダーキン。
2023年製作/132分/G/アメリカ
原題:The Iron Claw
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年4月5日
家族に信仰心を植え込む母を演じるのは「ER 緊急救命室」のモーラ・ティアニー
https://eiga.com/movie/100922/special/
三男デビッドを演じるのは2022年カンヌ国際映画祭パルム・ドール『逆転のトライアングル』で世界的認知度を上げたハリス・ディキンソン。プラダの2024年春夏キャンペーンにも登場している。
ジェレミー・アレン・ホワイトが演じた四男ケリー(左)。バイク事故で片足を切断するが奇跡的に復活。しかし、そのために使用した鎮痛剤に依存するようになり、薬物中毒に。逮捕を前にピストルでみずから命を絶った。
四男。実際のケリー・フォン・エリック 凄い身体。
試合を見て義足だと気づかないファンも多かったとか。
監督インタビュー抜粋
フォン・エリック家は、スポーツ界のケネディ家と呼ばれてきた。一家は想像を絶するほどの喪失を体験したが、それでも『アイアンクロー』は、悲しみや苦しみの物語ではない。むしろ、悲しみの欠如と、人が自分の苦しみから目を逸らした時に、何が起こり得るかを描いている。
一家の物語はアメリカの歴史のごく小さな一部分に過ぎないが、長年アメリカの文化に害を及ぼしてきた極端に歪められた男らしさや、近年僕たちがやっと理解し始めた考え方を掘り起こしている。ファミリードラマであり、ゴシックホラーでもあり、スポーツ映画でもある本作は、アメリカの中心部で展開する真のギリシャ悲劇ともいえる。ケビンが家族の掟を破って呪いを打ち砕き、より賢く、強く、平穏な心を持って苦境を脱する、復活の物語なのだ。
栄光、喪失、そしてアメリカ特有の男らしさの釣り合いを模索する映画の伝統を受け継ぎ、僕は、『レイジング・ブル』と『ディア・ハンター』からひらめきを得た。
『アイアンクロー』の中心には、家族、父子、兄弟がある。愛を発見し、ありのままの自分を受け入れること。男とはこうあるべき、といった狭い考え方との闘い。
栄光への渇望と成功という幻想。世代間の衝突と、希望にみちた新しい将来を見出すために求められる視点。『アイアンクロー』は、これら全てをテーマとし、自己発見、友情、兄弟愛、アメリカ合衆国におけるプロレスの栄光の日々を描き出している。
ベイウォッチ以上に鍛え上げられた劇中のザックの身体に触発されて、観る前と見た後映画館の隣のステーキ屋に入り、その後夜、ジムに行ったのだった