映像画日記

アニメーターの絵と映画と読書の記録

ヘル・レイザー 



 

 

U-NEXT

 

永遠の苦痛と快楽を与える魔界への入り口を開くパズル・ボックス。魔界の魅力に魅せられてしまった者たちは、異次元から四体の魔道士=セノバイト、ピンヘッド、フィメール、チャタラー、バターボールを召喚してしまう。突如として血肉の断片と化す人問、ケロイド状の肉体となって蘇生する骸骨、生身の人間を餌食にしていく悪霊一一関わったすべての者が、気づかないうちに惨劇に足を踏み入れていく。人間の欲望をあざ笑うかのようなセノバイトたち。

 

ホラー小説「血の本」シリーズで世界幻想文学大賞、英国幻想文学大賞を受賞、一大センセーションを巻き起こした英国の天才恐怖作家クライヴ・バーカーが、自身の原作・脚本の映画化であった『アンダーワールド』(85)『ロウヘッド・レックス』(86)の出来に落胆、溜め込んだフラストレーションを噴火させるべく、満を持して自らの手で自身の原作「ヘルバウント・ハート」を映画化して鬱憤を晴らした怒涛の初監督作。

北米で1987年9月10日に公開されるや話題騒然の大ヒットを記録、スティーヴン・キングに「ホラーの未来をみた」と言わしめ、一大流血描写と、幻想美溢れる映像とSFX、斬新な世界観で、ホラー映画の歴史を塗り替えた。

 

セノバイトと対峙するカースティ役に当時の大型新人と祭り上げられたアシュレイ・ローレンス。クライヴ・バーカーが名のあるキャストを希望する製作会社ニュー・ワールド・ピクチャーズを説得してキャスティングしたローレンスはその後『ヘルレイザー』シリーズ3作品に出演、ヘルの女王へと成長した。ヒロイン、カースティの父役に『ダーティハリー』のさそり、『コブラ』のモンテ警部補のアンドリュー・ロビンソン、継母役に演劇の最高権威ローレンス・オリヴィエ賞の常連である大女優クレア・ヒギンズがふんしている。そして『ハロウィン』のマイケル、『13日の金曜日』のジェイソン、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイス、『エルム街の悪夢』のフレディといったホラー界のアイコンを超える大人気キャラクターにのし上がったセノバイトの首領”ピンヘッド”をダグ・ブラッドレイが熱演、以後シリーズ7作でピンヘッドを演じ、誰もその素顔を知らない名優として知られることとなった。

現実と幻想が交錯する唯一無二の地獄世界の特殊メイク、効果は『スペースバンパイア』『ハイランダー/悪魔の戦士』のボブ・キーンとジョフ・ポーターズが担当。

 

 

これまでに10作もの続編や関連作が生まれ、『チルドレン・オブ・ザ・コーン』と並び最長のホラーシリーズのひとつに数えられる『ヘルレイザー』シリーズの原点。魔道士が魂を切り裂き、快楽の源となる苦痛、拘束と恐怖の下での道徳性を説く幻想恐怖超大作が35年を経て、イギリスARROW社による4Kデジタルリマスターでふたたび日本全土をかつてない戦慄に陥れる。

 

 

 

 

 

 

「見つからないわ 世界は果てしなく広いのよ」

 

私はホラーの未来を見た。彼の名はクライヴ・バーカーだ。
スティーヴン・キング

 

 

 

 

 

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