舛田利雄『大日本帝国』@ 新文芸坐。笠原和夫脚本は天皇の戦争責任を強く問うが、同時に右にも左にも依らない重層的な様相を呈する。そうした脚本の意図を映画は十分に描ききれたとはいえず、これは80年代という時代の問題なのか、東映のカラーなのか、舛田利雄の限界なのか、そのすべてなのか。
— 磯田勉 (@isopie_) 2015, 8月 25
『大日本帝国』80年代的に軽めのキャスティングで、もはや「日本映画・演劇人総出演」的なオールスターキャストの時代でないことを告げる。そのなかで軍人の三浦友和、篠田三郎の熱演が光り、そして戦中戦後を母の強さでたくましく生き抜く高橋惠子が抜群によい。彼女の代表作のひとつではないか。
— 磯田勉 (@isopie_) 2015, 8月 25
『大日本帝国』東條英機役の丹波哲郎は堂々たる押し出しの強さで、カリスマ性がある。石原莞爾役になんと若山富三郎というのがいかにも東映的で、両者の会談の場は時代劇か任俠映画かという大芝居であった。篠田三郎の恋人とフィリピン娘の二役の夏目雅子は演技はともかく、輝くスタア性がある。
— 磯田勉 (@isopie_) 2015, 8月 25